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中村 寿; 金沢 勝雄; 藤木 和男
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE),Vol. 4, 0, p.1785 - 1789, 1995/00
原子炉施設の廃止措置時に発生する放射性金属廃棄物の再利用を想定し、模擬廃棄物およびJPDRの解体金属廃棄物を用いた溶融試験を行って溶融処理に伴う代表的な汚染核種の移行挙動の把握を行った。主な試験パラメータは溶融鋼材の材質、造さい剤の塩基度、模擬廃棄物の投入時期である。鋼塊、スラグ、排ガス等から採取した試料の放射能測定に基づくと、Co-60、Ni-63、Mn-54およびZn-65の大部分は鋼塊に、Sr-85はスラグに、Cs-137はスラグおよび排ガスの両方に移行、分配される結果を得た。この結果は各元素の物理的・熱力学的性質から理解できるが、特に元素の揮発性、酸素との親和性等が移行挙動に関して重要な指標となることが分かった。本報は、溶融試験の概要、試験方法、溶融時の放射性核種の挙動、移行挙動に及ぼす試験パラメータの影響などについて記述したものである。
中村 寿; 金沢 勝雄; 佐藤 孝幸; 山手 一記; 藤木 和男
Proc., SPECTRUM 94,Nuclear and Hazardous Waste Management Int. Topical Meeting,Vol. 1, 0, p.206 - 210, 1994/00
金属廃棄物の合理的な処理・処分として再利用が考えられている。この再利用プロセスとして、溶融処理は必要かつ重要なプロセスである。このため、金属廃棄物に含まれる放射性核種の溶融・造塊時の挙動を把握することを目的に、JPDRの金属廃棄物及びRIによる模擬廃棄物を用いて溶融試験を行った。この結果、Mn-54、Co-60、Zn-65の大部分は鋼塊中に残留するが、Sr-85及びCs-135はスラグあるいは排ガス中へ移行することが分かった。これらの核種の分配割合は、各々の核種の酸化あるいは蒸発のし易さを考慮することで定性的に説明できる。溶融処理により得られた鋼塊中の放射能濃度はほぼ均一で、模擬廃棄物とJPDRの廃棄物の溶融結果とはCo-60に関してよい一致を示した。本報告は、金属廃棄物を溶融した場合の放射性核種の移行挙動に関し、基礎的な研究結果を述べたものである。
中村 寿; 金沢 勝雄; 佐藤 孝幸; 山手 一記; 藤木 和男
デコミッショニング技報, (9), p.41 - 50, 1993/12
原子炉施設の解体撤去においては、大量の廃棄物の発生が予想されている。これらの廃棄物を合理的に処分することは原子炉施設の廃止措置を円滑に進める上で重要である。この廃棄物の処分方法の一つとして、廃棄物の減容及び再利用が考えられている。特に金属廃棄物を再利用する際には溶融処理が必要で、重要なプロセスである。そこでバックエンド技術部では、動力試験炉(JPDR)の解体により発生した金属廃棄物等を用いて、放射性金属の溶融処理に関する基礎試験研究を昭和62年度から行っている。本試験の目的は、金属廃棄物の再利用で重要な溶融・造塊時の放射性核種の移行挙動を把握することにある。本報は、放射性金属溶融・造塊試験に関して、現在実施中の試験の概要、試験方法、溶融・造塊時の放射性核種の挙動、装置の運転経験などについて現状を紹介したものである。
中村 寿; 藤木 和男
Technology and Programs for Radioactive Waste Management and Environmental Restoration,Vol. 2, p.1683 - 1686, 1993/00
放射性金属を溶融・造塊した場合における放射性核種の移行挙動を調べることを目的に、JPDRの解体金属廃棄物の一部および軽水炉の解体で予想される代表的な汚染核種を模擬したRIトレーサ(Mn-54,Co-60,Zn-65,Sr-85,Cs-137)を用いて、溶融試験を行った。試験では、鋼材の溶解温度とスラグの塩基度を試験パラメータとし、溶融により生成した鋼塊、スラグ、排ガス等の放射能測定から、核種毎の生成物中への移行挙動を調べた。この結果、使用した核種の移行挙動はその大部分が鋼塊中に留まる核種(Mn-54,Co-60,Zn-65)と、鋼塊には留まることなくスラグあるいは排ガス中へ移行する核種(Sr-85,Cs-137)とに大別できること等が分かった。本報は、現在進行中のこの試験に関して、これまでの結果を述べたものである。